2010年01月31日

会社における車輛管理について

『社有車の業務外使用と企業の責任』
社有車が起こした事故については、業務運転中だけでなく私用運転中でも、企業が損害賠償責任を問われることがあります。
したがって、企業は適正な車両管理を行う必要があります。
 社有車の業務外使用に係わる企業の責任についてご紹介します。

■無断使用運転
 無断使用運転であっても、会社と雇用関係にある従業員が社有車を運転している場合その運行は会社の支配下にあり、私用運転といっても業務運転と変わらないとみなされ、企業の責任が問われることがあります。

社有車の無断使用中の事故で企業が責任を問われた事例

従業員が社有車を無断で持ち出して私用運転中起こした事故について、企業の責任が問われた例〔名古屋地裁・昭和56年7月10日判決〕
 従業員が社有車の鍵を無断で持ち出し、私用運転中に事故を起こした。運行は会社の支配下にあったものとして、会社に対し運行共用者責任を認めた。

■第三者による無断使用 
従業員ではない第三者が無断で社有車を運転して事故を起こした場合にも、企業の責任が問われることがあります。泥棒運転による事故の場合、車両の鍵やドアロックの有無、保管場所、盗難にあって事故を起こすまでの時間などによって、企業の責任の有無が判断されているようです。

第三者の社有車無断使用中の事故で企業が責任を問われた事例

路上駐車していた社有車を第三者が無断で運転中に起こした事故について、企業の責任を問われた例〔東京地裁・昭和56年9月7日判決〕従業員が社有車のドアをロックせず鍵をつけたまま路上に放置していたところ、第三者が無断で運転して事故を起こした。
従業員に保管上の過失があったとして、会社に対し使用者責任を認めた。


『マイカーの事故と企業の責任』
 従業員が通勤途上や業務でマイカーを運転していて事故を起こした場合、企業は貴重な労働力を失い、事故処理に多大な労力を要し、また企業イメージを低下させるおそれがあるほか、使用者責任や運転共用者責任によって損害賠償責任に問われることがあります。したがって、企業はマイカー通勤の実態を把握して、適正に管理する必要があります。
 マイカーの事故に係わる企業の責任についてご紹介します。

1.マイカー事故と企業の法的責任

■使用者責任(民法第715条) 使用者責任とは、被用者が事業の執行について起こした損害については、使用者が損害責任を負うものです。この被用者にはパート、アルバイトや下請関係の人も含むとされています。
■運行共用者責任(自動車損害賠償保障法第3条)
自己のために自動車を運行の用に供する者は、運行によって起こした人身事故について賠償責任を負います。会社の業務で自動車を使用している場合は会社が運行供用者になります。
 運行供用者責任を免れるためには、自己の運行・管理に過失がなかったこと、被害者・第三者に故意・過失があったこと、車両に欠陥がなかったことの3点を立証しなければならず、事実上困難です。

2.通勤途上の事故
 マイカーが通勤のみに使用されている場合には会社の責任を問われる可能性は少ないといえますが、業務と関係があると認められた場合は責任を問われるおそれがあります。
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労働基準監督署の調査について

労働基準監督署の調査について質問をよくいただきます。そこで、簡単に労働基準監督署の調査はどのようなものかまとめてみました。
労働基準監督署の調査は、主に労働基準法・労働安全衛生法に基づき、法令の違反の発見とその違反項目の是正を目的としています。

そして、調査の種類としては、定期監督、申告監督、災害時監督、再監督の4種類があります。
定期監督は、定期に入るものですが、現在は主に行政方針を決め、それに基づいて調査対象をピックアップして業種等を絞り込みます。
申告監督については、違反の申告があったと考えられます。
この場合は、通報の内容によりますがより深い調査が行われます。違反と通報されたところを重点的に調査が展開されます。
災害時監督は、業務中に大きな労働災害が発生しそのため事業の内容についての調査が実施されます。この場合は、労働安全衛生法について重点的に調査される場合が多いです。
再監督とは、労働基準監督署の調査が実施され、その後に再度調査されることです。
 
調査の種類を説明しましたが、主に調査をされる内容は決まっています。就業規則、法定帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)はどんな調査でも必ず見られます。その際に、従業員の労働時間や残業時間がチェックされます。

◆“是正勧告”
 是正勧告とは、労働基準監督署の調査が実施された後の法律違反の指摘事項です。それは、労働基準監督官からの指摘です。労働基準監督官は専門の公務員でありますが、この人たちは、特殊な権限をもっています。司法警察官と同じ権限です。
 つまり、是正勧告とは、法律違反を権限者から注意を受けたという状態です。
 是正勧告書が交付されてしまったら、是正する期日が入ります。この期日までに法律違反を直して、是正しなさいということですが、この期日に関しては、事情を説明して期日を変更してもらうことは可能です。業務の事情や個別事情は勘案してくれるはずです。
では、最後に労働基準監督署が多く指摘するポイントをお伝えします。まず、定期監督では、ほぼ同じところを見ます。その内容は、労働契約書(労働条件明示書)、賃金控除について、労働時間、残業時間、残業代、就業規則、衛生管理者、健康診断の実施状況などです。労働契約書については、正社員、パート、アルバイトに書面で明示されているかどうかの調査を受けます。また、パート社員などの期間の定めのある社員については、契約更新等が問題のない形で実施されているかがポイントとなります。
 残業代については、残業代の割増率が法定利率を超えているかどうか。残業代の支払対象者が適法の状態であるか、つまり、全員年俸制であるまた名目上の管理職でも、実態が社員であれば残業代を支払う必要があります。その辺を調査します。
就業規則についても対象です。常時10人以上の事業所の場合には、就業規則を定めて所轄の労働基準監督署に届けでなければなりません。その届出と内容に法令違反がないかがチェックされます。

昨年、宇都宮労働基準管轄内でも多くの事業主様からお問合せをいただきました。やはり、日常の継続管理がいざという備えになるのが立会い時の実感です。


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